TA高木秀太(理科大工学部宇野求研M1)による合同中間講評会レポート
2009-06-15 13:47:21 | permalink

「090606中間合同発表会@sfcレポート」

はじめに。本レポートは、授業嘱託の立場で執筆するが、わたくし、未だ、「アルゴリズム」なるものの本質を理解しているに及ばず。発表会後の議論まで含めた考察などは、とてもじゃないが務まらない。お門違いな事を書いて、恥を晒すのはご免である。よって、本稿は、あくまで、授業受講生寄り視点からの「発表会のレポート」とする。

さて、各々の受講者にとって、アルゴリズムに対する「関心」の方向は様々だったと思う。僕も一人の受講生と自己を仮定し、自分なりのアルゴリズムへの「関心」を持って望んだ。発表内容を巡る議論は加熱する一方で、本当に様々な話題がドラスティックに飛び交った。しかし、面白いことに、そんな数々の議論は総じて、「アルゴリズムの捉え方」という一点に収束していたように思える。ゲストクリークの先生方含めた皆の「関心」の終着点がそこにあるのかも知れない。

発表会でも大きく取り上げられたが、今回は2つの大学の受講生でそれぞれカラーが出た。単純にグループ分けするには無理があるかも知れないが、「解法重視」、「目的重視」の2グループに集約出来ると思う(TUSの方がより「建築」のイメージが強かったという分別・評価も頂いたけど、それは別として。)。どちらが良いということではなく、双方共にこれは、かなりアルゴリズムの可能性を狭めていると思う。「解法」、「目的」、両方ともに必要であり、そしてそれらが等価に存在した上で、その先に何かあるハズだからである。

アルゴリズムについて、松川昌平さんは「「問題」を「解く」ための「手順」である」と言い、田中浩也さんは「「目的」に対して最も適する「方法」を「選択」すること」と言った。僕個人は、これらを適当な表現だと判断している。恐らく、(この定義は正確では無いのかも知れないし、藤村さんや柄沢さんの意見をここで記さないのは、失礼かつ卑怯かもしれないが、)アルゴリズム初心者である僕らは、まずはこの認識でしばらく走ってみて問題ないと思っている。なぜならば、いままでだって、僕らは、自分がやりたいように(=「問題」「目的」))、自分のやり方(=「手順」「方法」)で、作品を作って(=「解」「選択」)きた。そして、今、僕ら受講生達は、自身の頭の中を理論的の外部化することを求められている。スタンスは変わるがスタイルは変わらない。主観を客観に置き換え、出来るだけ外に出そうとするスタンスの差。4月から授業でやっていることをそう理解する方が、僕らアルゴリズム初心者にとっては楽な気がする。だから、松川さんや、田中さんの言う「アルゴリズムの捉え方」が自然に思える。(いや、これは単に松川さんに洗脳されてるだけかも。)

この授業を受けていると、自分がなにか、とてつもなく難しいコトに挑戦しているような錯覚を起こすことがある。けれど、決して難しいことをしようとしているワケじゃない。難しいのは、闇に埋もれてしまっている自身の頭のなかである。それに上手く光を当てて外に出してあげる、その過程でコンピューターの手助けがちょこっと入るかも知れない(入らなくてもいい)、そんな作業なのだ。

と、こういった具合に「難しく考える必要なんてねぇんだよな、ただそれだけのお話なんだぜ」、とおツムの悪い僕が、込み入ったお話を単純化しちゃいたいのは、まだまだ考察が足りないからかも知れない。けど、ね、学生のみなさん、いいと思うんだ、とりあえず。こんな風に軽い理解で。「頭より手を動かせ」とはよく言ったもので、いまは考えるより、汗を流しましょう。それが1年先に受講したT.A.からのアドバイスである。


高木秀太

東京理科大学 工学部 第一部 
宇野研究室 修士一年生
建築・都市設計 松川スタジオ 授業嘱託





TA酒井康史(慶応SFC池田靖史研M2)による合同中間講評会レポート
2009-06-12 23:49:34 | permalink

「デザイン言語ワークショップ(空間生成)中間講評会を終えて」

今年の春から開講されているデザイン言語ワークショップ(空間生成)という授業の中間講評会が同じ内容の授業を履修している理科大の学生と先日SFCで合同で行われた。私はSFCでの授業のTAとしてサポートしている身である。

昨年度履修したOBという視点から、今回行われた中間講評会の感想を述べたいと思う。また、授業をサポートする者として中間講評会を全体として聞いた上で履修者に最終講評に向けてのフィードバックを提示しようと試みる。

最初に結論というか、OBとして言いたいのが、この授業は私自身がこれまでとってきたのべ160単位のうち、最も難易度が高い授業であると再認識したという事である。まず前提として、今回の中間講評会の時点で、おそらく外部からみれば授業の最大の特徴である「プログラムを実装し、設計する」という事はなされていない。では逆にこれまでの授業でどんな事が行われてきたかと言えば、「問いをたて」、「仮説をたて」、形にするために「観察する」という事が主題となっていた。結果的に中間講評で履修者が発表したのは、問いを説明し、観察過程における変数の羅列とその変数がとりうる可能性として一つの形を提示するという内容だった。考えてみれば、自分の問題意識の中で問いをたてる訓練もあまりしないし、設計する段階で変数としてここまで定量化して抽出する訓練も行われていないと感じる(*1)。履修者にとっては新しい事だらけである。

少々講評会の感想というこの文章の趣旨からは離れてしまうが、この授業を取った後であれば、提案に対して問いと仮説の元にコンセプトを構築し、そのコンセプトを具現化するために問いから生まれた変数と敷地条件から抽出できる変数の集合がなければ形の生成ができなくなるという不可逆性があるとおもう。(今はそれが普通だと僕は自身思うけど)

履修者に対するフィードバックとして、各案の変数の傾向にsfcは学年に制限がなく、建築的なボキャブラリーが少ない分、生来から来るの問いに個性と日常性を感じた。案のポテンシャルは高いが、建築提案にするにはもっと物理的な要素への着目すべきであり、それが案の建築的イメージを増幅することにつながると思った。

逆に理科大のほうはある程度建築の訓練を積んでいるだけあり、説明や変数に建築性を見いだせたものの、何が自分の意識の中で一番重要なのかという問いが(もちろん考えてるとおもうけど)見えにくくなってしまっている案があった。これからやるであろう卒業設計は自分の社会に対する問題意識を案の強度としてまず見られると思うので、短い発表のなかで自分の視点を強調することは必要であると感じる。

難易度の高い授業ではあるが、たとえば任意の建築を一つ設計するという行為において、この授業が要求していることは当然なことであると感じる。この中間講評までに行われた「外部化できるところまで客観的に分析し、論理的に説明し、統合を経て、形態を生成する」という事は建築が学問としてあり続けることに不可欠な視点である。なので、この時点で十分設計製図の考え方にカルチャーショックを受けた履修者はいると思うし、それが感じられれば、授業を受けた意味があったと考えていいだろう。

さらにさらに、統合の過程を機械言語に(出来るだけ)おきかえ、試行錯誤のスピードをものすごくあげるというタスクが後半越えなければいけない山として存在するが、個々の案がどのように進化するか私自身楽しみである。頑張れ履修者!

*1ここでの比較対象はsfc設計製図の課題であり、すべては曖昧に、「提案のコンセプト」や「周辺環境のコンテキスト」というふうに片づけられてしまい意識的に行う問いを建てる事や変数の洗い出しが操作としてなされないという意味において。

デザイン言語ワークショップ(空間生成)2009
TA酒井康史(慶応SFC池田靖史研M2)






首都大 藤村スタジオ最終講評会とSFC+理科大 松川スタジオ中間講評会
2009-06-08 09:50:11 | permalink

6月1日(月)は藤村龍至さんのお誘いを受け、彼が設計課題を出した首都大学の最終講評会にゲスト・クリティークとして参加させていただいた。6月6日(土)は、僕が理科大とSFCで担当している設計課題の合同中間講評会に藤村さんをお呼びする。藤村さんとは以前から様々議論を重ねてきたので、ある程度お互いの共通点や相違点を共有していると思っていたのだが、両者が実際に設計した「建築」ではなく、それぞれ出した「課題」に対して講評する側とされる側に入れ替わることで、これまで以上に両者の共通点や相違点が明確に浮かび上がって来た濃密な講評会だった。両講評会で様々なゲストの先生方の意見も刺激的だったのだけど、論点を明確にするためにもここでは主に藤村さんと僕との共通点や相違点に焦点を当てて以下メモランダム。

講評会自体の形式や内容はすでに藤村さんがblogに書かれているのでまずはそちらを参照して頂くのがいいかもしれない。
http://www.round-about.org/2009/06/post_103.html

藤村スタジオは、木造の住宅課題。具体的な家族構成や建ぺい率、容積率なども設定され、単純に延べ床を満たすように解くと木造3階建てにしなければいけないような厳しい条件。しかもその課題の設計プロセスも彼の持論の設計手法である「超線形設計プロセス」を踏襲しなければならない。対して松川スタジオは、卒業設計のように、何故(why)建築をつくるのか、何の(what)建築をつくるのか、何処に(where)つくるのか、誰のために(who)つくるのか、何時(when)つくるのかといった通常前もって与えられる与条件そのものを提案することに比重が置かれた課題。ただしどのように(how)つくるのかだけは僕の持論の設計手法である「進化的設計プロセス」を踏襲しなければならない。

両課題とも設計プロセスがあらかじめ設定されているのが大きな特徴であり共通点である。それは僕も藤村さんも「これまで暗黙のうちに行ってきたの設計プロセスを論理的に捉え直す」べきであるという問題意識があるからだ。学生の提案の中には「ここちよい空間をつくりたいです」とか「とにかくかっこいい建築をつくりたいです」とか「森のような建築をつくりたいです」などといった曖昧模糊としたコンセプトを掲げる案が往々にして見受けられる。そこには、「ここちよい」とか「かっこいい」などの主観的な意味や、「森のような」といった比喩的な意味というのは、あらかじめ建築の側に内在されているものだという前提(信念?)があるはずなのだが、当の本人達はその前提を全く自覚していないことが多い。しかしそのような意味とは、建築側に独立して実在しているのではなく、建築と観測者の相互作用を通して観測者側に立ち上がるものなのではないだろうか。たとえ設計者がかっこいいと思う建築を作ったとしても、他者がそれをかっこいいと思う保証はどこにもない。つまり意味というのは事前的に建築を生成するコンセプトになり得ず、事後的に観察されるべきものだということを最初に徹底的に議論する。こうして両課題とも表層的には生徒の発表の中から上記のような主観を含んだ表現が消えていき、論理的な手続きによって設計が進められることになる。このようにどちらも建築を形式化しようという点は一見同じに見えるのだが、その意図するところは全く逆だと僕は思っている。藤村スタジオは暗黙知を形式知化し、その形式知化された要素だけを用いて統合するのが建築家の役割であると教え、松川スタジオは形式知化された要素を統合する手続きをコンピュータアルゴリズムにまかせてしまって、形式知化できない暗黙知を用いることこそが結局は建築家の役割であると教える。言い換えれば藤村スタジオは建築を形式化することで暗黙知を排除し他者と情報を共有しようとする意図があり、松川スタジオは建築の形式化を推し進めることで、暗黙知の重要性を浮かび上がらせる意図があるように思う。

確かに僕も含めて首都大の先生方が口を揃えたように、藤村スタジオで最終的に提出された案はどれも一定レベルを超えていた。藤村さんの言葉を借りれば新興住宅街に見られるような「希薄」な建築ではなく「濃密」な建築が多かったということだろう。「超線形設計プロセス」では、要求される変数をピックアップする「検索過程」と、変数を比較検討する「比較過程」に分かれるが、藤村スタジオでは、「検索過程」におけるもっとも重要な条件の読み取りは省略され、(1)ボリューム→(2)内部プラン→(3)家具→(4)構造→(5)家具の向き→(6)屋根・開口といった検証すべき要求条件とその順番があらかじめ与えられていた。その後、例えば(3)家具を例にとれば、椅子の高さは400であり、机の高さは700であるとひとつひとつ教えたそうだ。藤村さん自身が自らのことを「予備校の講師」だと表現し、生徒のことを「設計マシン」のような「機械」と見立てる。こうして、ひとりの脱落者もなく多くの生徒があるレベル以上の設計を行うことができるようになる。それはそれで、形骸化した合理主義に対抗するために「批判的工学主義」を掲げる藤村さんにとっても、家具の寸法一つ知らなかった学生にとっても意義のあることだろう。しかし藤村スタジオで最優秀として評価された案は、上記の与えられた要求条件に留まらず、自ら新たに要求条件をピックアップした生徒だったという事実こそ学生諸兄は留意しなければならない。今のところコンテクスト(文脈)を読むことは機械にはできない(フレーム問題)。与えられた条件を「建築らしく」解くだけでは、早晩、批判的工学主義も形骸化した工学主義に陥ってしまうだろう。

一方松川スタジオの中間講評では、ほとんどの案が「設計のイメージ」に留まっていて「建築のイメージ」が獲得できていないとご批判いただいた。まだ中間発表だからということを差し引いてもその指摘自体は当たっている。しかし的を得ていないと思う。なぜなら最初にも書いたが松川スタジオの課題の主題が建築個別の案の善し悪しを競うことではなく、問の立て方そのものを問うことに重点が置かれているからである。藤村さんは椅子の寸法が400で机の高さが700であるべきだと教えるのに対し、僕は人間の行動を観察して、そこから発見した法則性をもとに個別の条件に合わせて椅子や机を生成しなさいと教えるのだ。藤村スタジオは演繹的な建築の修辞を教え、松川スタジオはアブダクティブな仮説をたてることに集中し、さらに演繹的にコンピュータプログラムを用いてありうべき建築の可能性を生成したあと、帰納的にその可能性を検証することを教えるのだ。学習曲線を考えたときに、最初は塾的な藤村スタジオのほうが高い値を示すのに対し、より根源的な基本だけを徹底的に学ぶ松川スタジオの初速度は鈍い。しかし長いスパンで見た時には必ずその曲線は交差するだろう。藤村さんは機械のように建築家を育てようとするが、僕は機械に取って代われないような建築家を育てたい。

さらに提案されている建築の形態があるパターンに分類・収束していることが、アルゴリズミック・デザインの構造的な問題なのではないかというご指摘もいただいた。「進化的設計プロセス」では、実環境を観測して、そこで発見した法則性を用いて建築を生成する。つまり課題で生成された建築形態にあるパターンがあるとすれば、それは観測された現状の建築形態にあるパターンがあるということだ。僕が考えるアルゴリズミック・デザインにおいては、個別の建築形態がキューブだろうがボロノイ的だろうがそこに大きな主眼はない。むしろ、ある変数の組み合わせになったときに、現状の画一的な建築群が生成されて、別のある変数の組み合わせとなったときに、複雑で多様な建築群が生成されるというように、一見全く異なる建築形態をしていたとしても、その背後にはある共通の法則性がありそのアルゴリズムを探るということにこの課題の主眼があるのだ。もちろん奇抜な建築形態を生成するためにアルゴリズミック・デザインを用いるという人もいるので、僕がいうアルゴリズミック・デザインもフォルマリズム的なもんだろうという誤解があるのかもしれない。しかし僕が考えるアルゴリズミック・デザインとは、難波和彦さんが『建築の四層構造』のなかで「関係主義」と定義しているような建築思想であって、従属変数を変えることでどんな建築思想にも適応できるような、より一般的な関数を探ることなのだ。関数で書くと、z=f(x,y)というようにある特定のz主義を志向するというよりは、f(x,y,z)=0という関係主義を志向する。

僕が、超設計設計プロセスは無数にある建築の可能性の中から一つの可能性しか探索していないのではないかと(いつものように)批判すると、藤村さんはそれは重々承知の上で、政治的な合意形成のためにあえて線形じゃなければいけないのだと反論する。さらに僕がコンピュータによってありうべき建築の可能性のログを残せば同じように政治的な合意形成は可能だろうと反論すると、すべての人がコンピュータプログラムを操るのは現実的ではないと批判する。まぁキリがないように見えるが(笑)、要するに藤村さんはあえて線形的に設計を進めることで基本的な建築の理(ことわり)を学習させ、反面教師的にそれを「超」えろというメッセージを伝えたいのだ。私見では「超」線形設計プロセスとはそういう意味だと思う。対して僕は、環境は常に動的なのだから、観察と生成を繰り返すことで、その都度建築の理(ことわり)を発見しようと伝えたいのだ。それを事後的にみると「進化」的設計プロセスなのだ。それは試行錯誤(観測と生成)のスピードと量をどれだけ増やせるかということに尽きる。

まだまだあるが(笑)すでに相当長いのでこの辺でやめておこう。いづれにしても、両方学ぶにこしたことはないので、最初に藤村スタジオを受講してから、大学院の授業あたりで松川スタジオを履修するのがいいのではないかという話にとりあえず落ち着いた(笑)。

両講評会の後、学生と朝まで居酒屋で議論しながらこのような両課題の共通点や相違点が次々と見えてきて、僕自身が非常に刺激的だったし、なにより居酒屋で建築談義する学生の熱気がすごかった。それが一番の収穫なのではないだろうか。いいことも悪いことも含めて本気でぶつかり合える関係を築くこと。synctokyoのころから積み重ねて来たガチンコの議論が今に繋がっているのだ。

首都大の講評会に呼んで頂いた藤村さんをはじめ、首都大関係者の皆様、SFCと理科大の合同中間講評会にゲストクリティークに来て頂いた松田達さん、田中浩也さん、飛び入りで参加してくれた柄沢祐輔さん本当にどうもありがとうございました。そして学生の皆さんに感謝します。後半戦もがんばりましょう。





デザインのプロセスのデザイン2
2009-05-23 15:45:16 | permalink

非常勤をしている慶応SFCと東京理科大の設計課題『関数空間-AlgorithmicSpace』がもうすぐ中間発表を迎える。最初にSFCで同様の課題を出してから今年でもう5年目となる。毎年少しずつ課題形式も進化してきたが、今年度も少しだけ変更を加えた。主な変更点について以下メモランダム。

昨年度までの進化は下記過去エントリー参照。
「デザインのプロセスのデザイン」
http://www.000studio.com/main/memorandum.php?id=13814


(1)1番大きな変更点は、昨年度は、前期を理科大、後期をSFCと時期をずらして同じ課題をやっていたのだが、今年度は、同時並行で同じ課題を進めるようにしたこと。各案の進化の履歴をアーカイブしたblogは両大学で別々に用意しているのだけど、お互いに公開しているので、微妙に相互作用が見受けられるのが面白い。さらに相互作用を促すためにも最終発表だけでなく中間発表も合同で講評会を行うことにしたことも大きな変更点。外部からゲストクリティークもお招きする。

(2)2点目はTAにも積極的に授業に参加してもらうようにしたこと。高木秀太さん(理科大宇野求研)と酒井康史さん(SFC池田靖史研)。両者とも昨年度の授業を履修したOB。彼ら自身がとても優秀ということもあるが、授業の勝手がわかっている(規範を内面化して共有できている)ので、僕よりも現在履修している生徒に近い視点で、生徒とコミュニケーションがとれる。今のところ昨年よりも脱落者が少ないのは彼らのおかげだろう。

(3)3点目は、フィードバック案(前述の過去エントリー参照)を3名に絞ったこと。昨年度は全員に対してフィードバック案を返していたのだけど、それに比べて、ひとつひとつのフィードバック案の内容が濃くなったことと、フィードバックが集まる案に偏りが出た(淘汰圧がかかった)ことが収穫。さらにフィードバックが誰から誰に送られたかも集計しblogに公開することにした。僕の予想では、最終的な案の評価と、この集計結果がある程度相関するのではないかと思っている。

(4)4点目はproccesingの独学用webサイトとともに、講義も行うようにしたこと。昨年度はproccesingは独学用webサイトだけを用意してあとは独学しなさいということにしたのだが、はやり敷居が高く、自分が作りたいプログラムをある程度書けるようになった生徒は数名のみだった。そこで今年は、授業時間を少し延長して、processingの講義も行うことにした。同期的な学習と非同期的な学習の相互作用があるといいのだけれど。


ところで、先日、松田達さんからお電話をいただき、「建築系ラジオ」のインタビューの依頼があった。昨年一度お断りしていた上での再度の依頼なので、何か彼にも意図があるのだろうと思い受けさせていただくことにした。ただ、二人のやりとりだけでは面白くなさそうだなと思って、この中間講評会に松田さんにも来ていただき、講評会終了後、他のゲストクリティークの方や、生徒も交えて「アルゴリズミック・デザイン」について討議するのはどうかと提案したら、快諾していただいた。無編集で公開と聞いているので、あまり長く突っ込んだ議論はできないと思うが、中間講評会の熱気そのままに皆で議論できるとうれしい。

合同中間講評会は外部の方にも公開いたします。アルゴリズミック・デザインに興味のある方は是非いらしてみてください。
以下、合同中間講評会のプログラムを転載。

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日時 : 2009年6月6日(土)15:00-20:00(終了時間は前後するかもしれません)
場所 : 慶應義塾大学 湘南藤沢キャンパス 教室o(オミクロン)11
アクセス : http://www.sfc.keio.ac.jp/maps.html
キャンパス案内 : http://www.keio.ac.jp/ja/access/sfc.html

ゲストクリティーク:
松田達さん(松田達建築設計事務所
藤村龍至さん(藤村龍至建築設計事務所
田中浩也さん(慶応義塾大学環境情報学部准教授

スケジュール:
15:00 : 課題概要説明、ゲスト紹介
15:10 : 中間発表 一人5分+質疑5分程度
(発表形式=A1パネル+模型+パワポ)

慶応SFCデザイン言語ワークショップF(空間生成)2009
15:10 - 01. 岩岡孝太郎(M1)
15:20 - 02. 平本知樹(M1)
15:30 - 03. 阿部祐一(4年)
15:40 - 04. 田中亜依(3年)
15:50 - 05. 島田彩加(2年)
16:00 - 06. 川鍋徹(2年)
16:10 - 07. 木村隆幸(2年)
16:20 - 08. 鎌田源内(2年)
16:30 - 09. 多治見智高(1年)

16:40 - 休憩10分

東京理科大学工学部 建築・都市設計 2009
16:50 - 01. 隈太一(4年)
17:00 - 02. 池上碧(4年)
17:10 - 03. 伊藤孝仁(4年)
17:20 - 04. 臼井聡(4年)
17:30 - 05. 大浦真由子(4年)
17:40 - 06. 太田翔(4年)
17:50 - 07. 岡崎嘉平太(4年)
18:00 - 08. 加藤明日香(4年)

18:10 - 休憩10分

18:20 - 09. 河田亞希(4年)
18:30 - 10. 佐々木潤一(4年)
18:40 - 11. 鈴木幸作(4年)
18:50 - 12. 関本陽二(4年)
19:00 - 13. 橋本寛人(4年)
19:10 - 14. 長谷川由葵(4年)
19:20 - 15. 原口牧子(4年)
19:30 - 16. 山田和也(4年)

19:40 - ゲスト・クリティークによる総評
20:00 - 中間講評会終了

20:10 - 建築系ラジオ収録「アルゴリズミック・デザイン」
学生も参加可。
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Wolfram|Alpha
2009-05-18 16:24:53 | permalink

Mathematica『A NEW KIND OF SCIENCE』(Wolfram Media Inc, 2002)で知られるStephen Wolframが開発したsearch engineならぬcomputational knowledge engine。現状、挙動が重いが、今後にかなり期待。

http://www.wolframalpha.com/

via. TechCrunch





「サスティナブル・デザイン+建築の四層構造」と「批判的工学主義+超線形設計プロセス」を「アルゴリズミック・デザイン+進化的設計プロセス」の視点からとらえる試み
2009-05-09 01:10:54 | permalink

4月10日新宿ジュンク堂で行われた、難波和彦さんと藤村龍至さんのトークセッションのレポートを書かせて頂きました。

http://tenplusone.inax.co.jp/200904/issue2.php


レポートといっても、セッションの内容を「10+1 web site」と『建築雑誌』2009年6月号にて文字原稿として読めることを事前に聞いていたので、ここでセッションの内容を要約するように繰り返してもしょうがないと思い、読者の方がその文字原稿を読む際の参考となるように、セッションの背景にある両者の建築思想や方法論を、俯瞰的に捉えるための見取り図を提示することを試みてみました。

ただ正直にいうと、この論考は未完成で、書きたかったことの前半部分だけなのです。公開された論考を読むと分かりますが、その前半部分では、僕自身の方法論である「進化的設計プロセス」をベースにして両者の「同一性」を論じています。対して、まとめきれなかった後半部分は、両者の「差異性」に焦点を当てて書いていました。藤村さんがblogで書かれているように、セッションでは主に両者の「同一性」が主に強調されたのですが、僕自身が実践している「アルゴリズミック・デザイン」を考える上でも、両者の「差異性」こそが重要だと思ったのです。

難波さん自身が「アトリエ建築家とハウスメーカーの間」と位置づける「箱の家」の立ち位置は「批判的工学主義」的だし、安藤忠雄的に「反復」的に作品を発表するシリーズ型の作品像は思考を外部化してフィードバック・ループを構築する「超線形設計プロセス論」的なので、様々なポイントで議論は交差した。

キーワードのひとつは「変数」。読み込みを増やすことはできるか。変数を減らさずに「統合」することはできるかと執拗に問いかけると、難波さんはポール・ヴァレリーを例に出して「いやぁ、若いね!自分も40歳まではそうだった」とコメント。ここがこの日の最大の対立点ではないかと思う。
roundabout journal 2009年04月14日


藤村さんが漠然と言っている「変数」とは何か?「外部化」とはどのような状況なのか?そして難波さんがいうように「建築の四層構造」には「統合」の論理はないのか?このような両者の「差異性」を浮かび上がらせるには、現状の「進化的設計プロセス」では解像度が荒すぎる。そこで、最近授業でも講義している「アルゴリズミック・デザイン」における視点の変化を導入したり、アレグザンダーを引いたり、「進化的設計プロセス」をあれやこれやと拡張して、なんとか方向性は見えたのですが、公の場に公開できる程にはまとめきれなかったということです・・・。

でも、僕にとっても重要なことなので、稚拙なのは承知の上で、少しずつでもこの場で書いていければと思っています。







『+/- 【 the infinite between 0 and 1 】』
2009-05-07 12:46:25 | permalink

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Ryoji Ikeda『+/- 【 the infinite between 0 and 1 】』(エスクァイア、2009)

僕が関わったプロジェクトが巻末にクレジットされています。『+/- 』展に行かれた後にでも、「池田亮司による池田亮司[対談:浅田彰]」を読まれることを強く推薦します。対談の中では、複雑系科学と無限集合論を対比的に語られているような印象がありますが、私見では、複雑系においても、超越的な無限を想像することは可能だと思っています。浅田さんがいうように、「一見ランダムに見える多種多様な現象も、単純な決定論的規則の再帰的反復から生成されているというのが、カオス理論を初めとする複雑系理論のポイント」であるというのは了解できる。ただそのことが、「超越的な無限がある」ということと矛盾しないのではないかということ。もう少し詳しく言うと、アインシュタイン以降、観察対象と観察者の関係を明示しなければ視点について語れないのと同様に、システムの内側から見た時に、あるモノが「生成」されたと見るか、そのシステムを超越的に見た時に、無限の中から、あるモノが「選択・発見」されたと見るかの違いだろうと思うのです。実数(real number)の概念なんてその最たる例だと思う。僕の興味は、これまで「制作する(make)」と思われてきた建築が、近年ようやく「生成する(become,generate)」という視点に変化しつつあり、その先の「選択する(select)」という視点まで到達できるかということ。池田さんのプロジェクトを長くお手伝いして、僕なりに到達した大きな視点だと思う。







『アルゴリズミック・デザイン―建築・都市の新しい設計手法』
2009-05-07 12:32:05 | permalink

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日本建築学会『アルゴリズミック・デザイン―建築・都市の新しい設計手法』(鹿島出版会、2009)

下記4作品を生成するために開発したコンピューター・アルゴリズムに焦点を当てて、掲載されています。

AlgorithmicSpace[ Bungalow ]
http://www.000studio.com/main/works.php?id=2

AlgorithmicSpace[ Beach_House ]
http://www.000studio.com/main/works.php?id=6

Chaos and Order
http://www.000studio.com/main/works.php?id=8
http://www.000studio.com/kobe_biennale2007/main/concept.php

AlgorithmicSpace[ Hair_Salon ]
http://www.000studio.com/main/works.php?id=1







『1995年以後―次世代建築家の語る現代の都市と建築』
2009-05-07 12:09:37 | permalink

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藤村龍至+TEAM ROUNDABOUT 『1995年以後―次世代建築家の語る現代の都市と建築』(エクスナレッジ、2009)

昨年(2008)夏に藤村龍至さんから受けたインタビューが掲載されています。過去のエントリーでも少し触れました。

「不合理な建築の設計」
http://www.000studio.com/main/memorandum.php?id=13827








ATAK NIGHT4 Japan Tour
2009-05-03 10:20:36 | permalink

久しぶりのクラブ。僕はクラブの雰囲気があまり好きではないので、積極的に自分から行くことはないが、池田さんが参加するというレアケースなので。今から東京に向かいます。興味ある方は、UNITでお会いしましょう。

下記、渋谷さんのHPから転載
http://atak.jp/

Tokyo

2009.5.3 (sun)
UNIT
Tel: 03-5459-8630
The House Bill 1-34-17 Ebisu-nishi, Shibuya-ku, Tokyo
open 23:30 / start 24:00

admission:
advance, with flyer 4000yen / door 5000yen

ticket:
●UNIT (03-5459-8630) ●ticket PIA (0570-02-9999/0570-02-9966, P-cord: 316-164) ●LAWSON ticket (0570-00-0777, L-cord: 78949) ●e+ http://eplus.jp

Live performance:
Keiichiro Shibuya (ATAK)
Ryoji Ikeda
Yasunao Tone
evala (ATAK, port)
Special Guest

DJ:
Masaya Nakahara
loco2kit (YumYumMummy!)

PA,8ch surround system: AO + Mizuki Nishimura (Raysound Co., Ltd.)

Organised by ATAK
Special Supported by Sony Corporation
Mechanical Supported by
Meyer Sound
Raysound Co.,Ltd.

Access
[By Tokyu-Toyoko Line (Train)]

2 minute walk from Daikanyama Station
5 minute walk from Nakameguro Station

[By JR / Hibiya Line (Train)]
7 minute walk from Ebisu Station